2016/09/13
個人民事再生は、自動車など担保がついているものを除けば、何も取られません。
担保を取られているものは、支払が困難になったこのときの為ですので、基本的に引き揚げの対象です。
トヨタファイナンスなどは、基本的に自社流通力が高いので、引き揚げて中古車市場に流すのが一般的です。
但し、一部の信販会社は、家族の買い取りなどを認めています。
ところで、話を戻します。
担保がついていないものは、何も取られないという話をしました。
これは、破産制度と大きく異なる点です。
例えば、支払が終わった自動車や保険の解約返戻金などが高額な場合(それぞれ項目グループ別に20万円以上ある場合)、
破産では配当に回されます。
(少しややこしいですが、それと同じ額を配当すればよいという意味ですので、売却せずとも配当すべき額が用意できれば売却は必ずしも必要ではありません。)
なぜ、民事再生の場合は、取られないかなのですが、その分のお金は支払うからです。
民事再生の原則は
100万円、全債務の5分の1、主だった財産の全価額(自動車や預金など。基本的に家財品はこれに当たりません。)のうち、
最も高い金額を原則3年で支払うというものです。
主だった財産の全価額というのは清算価値保障というもので、「最低、今もっている全財産を処分した分の価額を支払ってください。但し3年で。」
というものです。
要は、今持っている全財産の価値分は、3年で分割して払っていく(今後の収入等で)ので、今もっている資産を処分せずとも構わないということです。
なので、今もっている財産は、担保がついていない限り、処分する必要がないということになります。
なお、住宅ローン付不動産については、担保がついているわけですが、こちらについては、特別にそのまま支払ってよい(処分しなくてよい)ことになっています。
ですので、基本的に民事再生は支払をする必要がありますが、守りたい財産があるという場合には、非常に使い勝手のよい制度だと言えますね。