こんにちは。
司法書士の鈴木です。
カウンセラーの先生からすれば、なんでもないことですが、法律職で、相談者の声を意識的に聴いている人はあまり多くはないかもしれません。
例えば、「こんなことをされた。それがどういうことか、あいつにわからしめてやりたいんだけど!」といった相談があったとします。
それに対し、法律職は、「それなら、こんな法律がありますよ。慰謝料はいくらくらいですね」といった答えを示すことが普通です。
だけど、実は相談者は、それを目的としていないことがままあります。
私は、相談者の本当の気持ちを聴くのが、声を聴くことだと思っています。
この「わからしめてやりたい!」というのは、実は手段であって、目的ではないかもしれません。
相談者は「どうしてわからしめてやりたいと思ったのか。」
わからしめて、結果「どういったことを望んでいるのか。」
そんなところを聴いていきますと、実は、法的にどうこうというのが目的ではなく、相手方に自分の気持ちをわかって欲しいであるとか、このままでは悔しかったとか、色んな思いに触れることがあります。
法的にいくら取れるとかそんなことが目的ではなかったりすることは珍しくありません。
それをうまく聴き出すには、オウム返しの技法や、「感情の言葉」と「考えの言葉」の違いなどなど、傾聴の技術を意識的に取り入れていかなければ、相談者の本当の気持ちや思いといったことがわからないままに手続きが進んでしまうかもしれません。
法的トラブルを抱えられるということは、相当な思いがあってしかるべきです。
言葉通りには「はい、そうですか」とはいかないのが本当のトコロですよね。